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2008.10.23

野菊の墓

081023秋も深まって、裏庭の植木の周りを片付けていると、拳よりひと回り大きな石と縁の欠けたお皿が野菊の下から出てくる。
この石の下には20年ちょっと前に居た白黒ブチの猫が眠っている。

たまたま実家へ戻っていた、夏の昼下がり、家の裏手の雑木林からかすかに子猫泣き声が聞こえた。
近付くと声が消えてしまい見つからなかったのだが何度か見回すと、生後2週間くらいの子猫が草むらに隠れていた。

間違い無く捨て猫だった。

しかたなく、拾い上げ、家に戻り、勝手口からその頃まだ健在だった母に家で飼ってくれるように頼んだ。
我が家の家族は動物好きなので、それほど問題も無く家族に迎え入れられることになった。
その頃、我が家は親父と母の二人暮らしでこの子の面倒は母が見ることになった。
当然のことながら、子猫は母に一番なつき何処へ行くにもついて回り、親父は”おかあさんの猫”と呼び、やきもちをつく位だったらしい。

ところが、ある日、母が一泊旅行で出かけた日、この”おかあさんの猫”が野鼠駆除か何かの毒を食べてしまったのである。
気付いた親父は慌てて病院へ連れて行ったのだが間に合わず、それからほぼ一日、親父は一人で”おかあさんの猫”の亡骸と悶々としながら過ごしたらしい。
翌日、母が旅行から戻り、親父はことの顛末を説明し、二人で裏庭にお墓を作ったのがこの小さな石と縁の欠けた皿なのである。

それからと言うもの、親父は猫を飼いたがらなくなった。特に母が亡くなってからは飼う話をするくらいでも怒り出すようになった。
別れの辛さは、日々の何気無い愛情を積み上げと同じなんだろうと思う。
それゆえ、突然訪れる喪失感は日々の気持ちでは支えられないくらい大きくなってしまうのだろう。

庭を片付けていて、このお墓が庭木の下の草むらから出てくる度に、石を据え直し、皿を洗い、水をあげている。
最近、庭木や下草を片付けたと親父は言うのだが、母が好きだったお茶花の野菊や水引が藪になったように生い茂り枯れかかっているのに、このお墓の辺りだけは手が付けていなかった。

親父は時折臆病なくらいセンチメンタルなのである。

2008 10 23 10:51 PM [etcねこ] | 固定リンク

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